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【読書感想・レビュー】核燃マネー 青森からの報告

こんにちは、TAKAです。

 

前回ご紹介した「これならわかる東北の歴史Q&A」の参考文献の一つが今回紹介する、

「核燃マネー 青森県からの報告」です。

写真や具体的な数字を交えて具体的に説明されている書籍です。

故に難しい感じがあるので、今回は私が読んで大まかな概要を掴んでもらえればと思い記事を書いていきます。

 

 

紹介する書籍の基本情報

書籍名:核燃マネー 青森県からの報告

初版発行:2005年7月27日

監修:朝日新聞青森総局

発行:株式会社岩波書店

 

 

1章:根を張る財源

電源三法の使用用途が、交付金で整備した施設だけでなく各省庁の交付金や市町村の自主財源で造った施設の人件費や維持管理費も使えるようにした。

核燃税は県が独占しており、東北新幹線の整備にも使用された。(2005年は青森県全体の税収の15%に達した。)

下北地区に交付金がいきわたる不公平感を解消するため、津軽地方にも交付金は投入された。

Jパワーが大間病院に一億円の資金援助。理由は原発建設において市の財政に負担をかけているから。

・六ケ所村に投下された二兆円のうち、下請けの県内企業の発注は16%。残りはゼネコンを通じて中央に還流されている。

・青森県の設備投資に占める電力の割合は78.7%、全国平均は9.2%

 

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電源三法、核燃税、青森県の設備投資など視点から青森県における核燃料事業の存在感の大きさを実感する内容でした。

個人的に特に興味深かったのは電源三法によって交付された資金の使い道です。

 

私はこれまで核燃料事業が集積している下北エリアに集中して投下されているという認識でしたが、下記の表に示すように、青森県の市町村全体に満遍なく投下されています。

 

これは下北エリアの自治体だけに資金が集まることへの不公平感解消のためということでした。しかも内容を見ると私個人も行ったことがある施設がいくつかありました。

私は改めて核燃料貯蔵施設は青森県全体の問題であると感じる1章でした。

 

 

 

 

2章:源流をたどる

・ウラン濃縮工場誘致の競合には岡山県がいた。しかし、再処理と低レベル廃棄物も受け持つ「三点セット」提案で青森が誘致に成功した。

「地域産業創造財団」という100億円規模の財団。市町村に寄付という名目で資金提供。

・青森県には核産業に参画する技術を持つ地元企業がなかった。そこで警備会社やメンテナンス会社を立ち上げた。メンテナンス会社は核燃料事業の遅れから、立ち上げたものの本来行うべき業務はできていない。

 

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青森県に核燃料施設を誘致する背景を、私は初めて知りました。

青森に決まった理由としては、再処理と低レベル廃棄物も受け持つ「三点セット」という経済的なメリットがあったいう話は説得力がありました。

 

しかし、一方で核燃料事業を受け入れるに当たり課題も指摘されていました。それは青森県には核燃料事業に携われる企業が存在しないということです。

 

これは1章でも、述べられていました。携われる企業がないということはゼネコンが工事を取り仕切り、投下された資金の約8割近くが中央に「還流」されていったというものです。

 

3、4章:傾く政治、マネーがもたらしたものは

・2004年、三村知事はむつ市で使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地協力要請に訪れた東京電力の勝俣恒久社長に対し、「現在は検討していない」と門前払いで対応した。

・2003年の県知事選では三村知事は県内知事選史上、最も僅差で当選した。対立候補の横山北斗氏を支援した民主党の田名部匡省参議院議員はかつて、核燃料施設の建設に尽力した。

・1991年の知事選は核燃料施設の是非を問うもの。北村正哉知事の選挙を取り仕切ったのが当時自民党県連代表の田名部匡省氏。

・横浜町「菜の花フェスティバル」、三沢市「みさわパティオフェスタ」、平内町「ほたての祭典」なども核燃マネーの補助が流入。2003年には2市4町1村の7事業を対象に総事業費5953万円のうち4380万円が補助で賄われた。

 

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 3、4章では政治的な視点から核燃マネーの問題を見ています。

 以前青森県の政治家について記事をまとめたことがあるのですが、現役参議院議員の田名部匡代議員の父親、田名部匡省参議院議員について色々と書かれていました。

 

書籍の田名部匡省参議院議員は強力に核燃マネーを取り込んだことが述べられています。色々な見方ができるかもしれませんが、田名部匡省参議院議員は青森の発展のために資金を呼び込んだと信じたいです。

 

しかし、一方で青森県は2018年のデータでは平均年収371万9100円、順位が44位と低迷したままです。結果論ですが、核燃マネーは青森県に持続的、自律的な成長もたらすことはなかったと考えています。

 

 まとめ

いかがでしょうか。

私は146ページとコンパクトながらも「核燃マネー」を巡っての多くのデータや政治家たちの駆け引きについて書かれており飽きずに読める本でした。

 

またこれまで調べた政治家の知識とも繋がり、少しですが点から面の知識になってきた感じがあります。

 

これからも面白く内容をまとめていけるように頑張ります。

また次回の記事でお会いしましょう。

 

 

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 「核燃マネー 青森県からの報告」は下記のリンクの本のおすすめ図書でした。

www.realisticregionandlife.work